秘境駅ランキング上位の長野県飯田線田本駅に行ってきた!写真有り

愛知県豊橋市から長野県の中部にかけて敷かれている”JR飯田線”
この飯田線は秘境駅の宝庫として秘境駅にまつわる記事や番組では必ずと言っていいほど名前が上がる駅が多数存在する。

その中でも飯田線秘境駅No.1の呼び声も高い「田本駅」にいつか行ってみたいと思っていた。ちなみにわたしは鉄道ファンではなく、社会人となってからは電車もほとんど乗らない。秘境という言葉の魔力に心動かされるただのオッサンである。

興味本意のオッサンに、はたして秘境:田本駅は心を開いてくれるのだろうか。

田本駅が存在する長野県下伊那郡泰阜村(しもいなぐん・やすおかむら)は長野県道1号線が走っており、田本駅を訪れた秘境駅ファンのblog等をたよりに、駅の入り口(?)まではナビで難なく行けた。車は入り口付近の道路の広い路肩に止められた。泰阜村は長閑(のどか)で良いところだった。とにかく人がいない。

「駅の入り口」と書いたのは、要するに駅舎まで車で行けないのだ。この時点で秘境の雰囲気バリバリだ。事前に情報を集めて置かなければ近くまで車で行けるもんだと思ってしまうだろう。5合目まで車で行けてしまう富士山とはメジャー度が違うのだ。ちょうど通りかかった地元の方に聞いたところ、田本駅を訪れる(利用者ではなく)観光客は割りと多いが、車で行けずに道を聞かれることも多いそう。たしかに申し訳程度にある道案内の看板じゃ、どこが駅舎なのかわからないだろう。

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手作りの看板。秘境への入り口にふさわしい。

 

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ここを下っていくのか。でもまぁ舗装してある、楽勝じゃん?

 

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舗装・・・ギリしてある。

 

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ほ・・・。
予想していたより森(林)だ。この時点でノリノリだった気持ちがスっと消える。秘境に対峙するにはこちらもそれなりの心構えが要るのだな。前日に雨でも降って落ち葉が濡れていたら危険だ。田本駅制覇を狙っている人は天候と季節(落ち葉の多い秋はとくに)も要調整だな。

 

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あぁ、、、出たよ蜂。
巣の処理してくれないんだ(笑 大きなスズメバチがブンブンいっている。巣がどこにあるかわからなかったけど、やつらを刺激したら終わりだ。もし刺されでもしたら、助けを呼びに村の人を探している間に・・・。それくらい近くに人通りはない。

 

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道半ばにして倒れた先人たちの”杖”がそこかしこにある。ありがたく拝借しようとしたが、このあたりから斜面の角度が急になり杖は逆に怖い。しかし、昔は本当に多くの人が利用した駅なのだろうか?この道のまま数十年存在してきたことが信じられない。だから秘境なんだが。

 

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崩落現場もこの通り。もう帰りてぇよ~
放置なのか??こういう景観が逆に秘境駅を訪れる人たちの気持ちを高める。「やっぱ秘境駅はこうよね~」という絵そのものだ。だけど頻繁に崩落するようなら怖い。ふと先日降った大雨のことが心配になった。もしや地盤が緩んではおるまいな?

 

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途中、眼下に吊橋が見える。そうか、事前の情報収集では田本駅は泰阜村側から下るルートと、となりの阿南町(あなんちょう)側からのルートがあるはず。きっと阿南町からはあの吊橋を渡るんだな。どちらにしても車で近くまでは無理だ。

 

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道すがら笑わせてもらった。
こんなところに誰が捨てに来るんだよ!!(笑 と思いながら崖下を覗くと。。。あるなゴミ袋が。こういう人目につかない場所を狙って捨てに来ているんだろう。自然を楽しむ人がいる一方で、自然を積極的に壊す人もいる。ちょっと悲しくなった。

 

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下り道の大半は森の中で光もそれほどなく暗い。たまに対岸の景色が見られる場所が点在し、ちょっとブレイク。この日はモヤがかかっていたが、もっとしっかり紅葉しだすと圧巻の景色だろう。

 

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下り始めて15分。ガクガクブルブルの膝がパンク寸前でついに田本駅のらしきホームが眼前に!!うれしいけど膝が痛てぇぞー!!

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この急階段を下ると。

 

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駅(?)に到着!!
うーん、これ駅なのか?

 

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どうやら間違いなさそうだ。

 

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これもパシャリ。

 

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駅舎はキレイだった。秘境であっても手入れは行き届いているんだな。線路の反対側は崖になっており天竜川が見える。絶壁ってやつだ。周りが紅葉していればもっときれいだったと思うだが、視界が狭すぎてどこを撮っても”森”だ(笑

 

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時刻表を見ると、田本駅には数時間に1本しか止まらない事がわかる。
乗り遅れたら・・・絶望感しかないな。

 

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駅舎内に芳名帳(?)みたいなのが置いてあり、この駅を訪れた人たちが思い思いのことを記してあった。中には画伯がすばらしいスケッチを残してあるものもあり、こういう記録が来た人を楽しませているんだろう。

書き込みの日付を見てびっくりしたが、ほぼ毎週(毎日の日もあり)人が訪れていること。これだけ人がくれば秘境ではあってもマイナー駅ではないな。「お店でも出して観光名所化すればいいのに」と思ったあとに、何も無いから人が来るんだと思い至った。書き込みの大半が「何もない」や「空気がおいしい」、「人がいない・静か」だったと思う。やっぱりそういうことなんだな、ここに来る人々が求めていることは。

 

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物思いにふけっていると、電車が!!
電車の時間に合わせてきたわけじゃなかったけど、数時間に1本の止まる電車(通過電車は時間に1本くらいはあるようだ)が見られるとは!!扉が空いて数秒で締り、先を急ぐように行ってしまった。利用者がいないのが普通なんだな。

 

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駅舎の隅にこんな看板が。
警察官、こんな秘境にご苦労様です!!(絶対立ち寄ってないだろ)

 

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帰りは例の吊橋ルートから阿南町へ抜け、田本駅隣の温田(ぬくた)駅を利用してみようかと、そっちのルートへ歩き出したが、、、さっそく崩落現場に遭遇。この調子じゃ、あの吊橋も人間が安全に渡れる状態かわからんなと思い直して来た道を引き返すことに。

行きは良い良い帰りは・・・の通り、上りはキツすぎた!!
登山級の勾配が、膝に堪える。。。はぁはぁ息を切らしながら無心になって歩くこと30分。下りの倍の時間かかって入り口まで帰還。普段無心になることなんてなかったなぁ。明日からの筋肉痛が怖い。

帰りがけ、また地元の方に話を聞けた。

昔は天竜川もキレイで、あの吊橋から飛び込んで遊んだもんだとか(命知らずだな、おい!)、田本駅から電車通学していた高校生もいたとか(冬はあの断崖絶壁、どうしてたんだろう・・・)。

飯田線は歴史が深く、こんな断崖に線路を敷いていった経緯を調べると興味深い。それぞれの駅にいろんなエピソードがありそうだ。

”秘境駅”の名に恥じない攻めにくさの田本駅。こういう場所は友達とわいわい行ってしまうと台無しだな。今回はおかげさまで誰とも会わず(駅利用者以外)、思いのままに自然を満喫できた。

駅・電車に興味が無くとも、静かなところが好きで、自然の険しさを理解できる人にはうってつけだと思う。あの勾配は人の心を無にするには十分すぎるものがあった。もう1度行きたいか?と言われたら、答えはNO!だ。

自然なら他に行きやすい場所はいくらでもある(笑